【第6話】30歳、理想を求めて動き出した|自由を作り続ける男の記録

スポンサーリンク

「型枠でどこまで行けるのか?」

「どんな人と出会うのか?」

「自分は、全く知らない会社に入れるのか?」

「給与はどのくらいもらえるのか?」

30歳のとき、そんなことを考えていた。

自分にあるのは、型枠の経験と資格、そして家族。

それだけだった。

それでも――

「自分が納得できる場所で働きたい」

そう思った。

調べて、調べて、調べまくった。

そして、ひとつの会社にたどり着いた。

直接電話をして、事務所に行くことになった。

これまでの経験を話して、その会社の中でも一番できるグループに入れてもらえることになった。

現場は、ある駅の商店街に隣接した大型現場。

店舗もあれば、高層マンションもある。

今まで経験したことのない規模だった。

ゼネコンも、いわゆるスーパーゼネコンと呼ばれるトップクラス。

建物の形も複雑で、やりがいがあった。

仕事は同じ型枠。

問題なくこなせた。

給料も、その頃の一人前としては最高クラスだった。

「ここならいけるかもしれない」

そう思った。

働き始めて、半年くらい経った頃だった。

同じグループの1人が、突然来なくなった。

理由を聞くと、うつ病だった。

あんなに元気で、よく喋る人だったのに。

優しくて、現場でも頼られていた人だったのに。

どうして、そうなるんだろう。

そう思っているうちに、その人の分の仕事が残ったメンバーに回ってきた。

負担は一気に増えた。

そして、数ヶ月後――

また1人、来なくなった。

理由はわからない。

でも、何かがおかしいと感じていた。

気づけば、5人いたグループは3人になっていた。

この規模の現場で、3人。

正直、無理があると思った。

「2人いないなら、新しく入れましょうよ」

僕はそう言った。

知り合いでもいいから、誰か入れた方がいいと思った。

でも、親方の答えは違った。

「ダメだ。クビにするわけじゃないし、人も増やさない」

その言葉を聞いたとき、

「すごいな、この人」

そう思った。

優しさなのかもしれない。

でも同時に、違和感もあった。

仕事は、やらなきゃいけない。

人は増えない。

負担は増える。

何を守ろうとしているのか、わからなかった。

ついていけない。

そう思った。

僕は、その会社を辞めることにした。

同じ現場には、型枠の会社が他にも入っていた。

4社入っていた中の、隣の会社。

顔見知りだった。

「次は、あそこに行ってみよう」

そう決めた。


👉 続きはこちら

【第7話】隣の会社で見た、現場の裏側|自由を作り続ける男の記録

【第7話】隣の会社で見た、現場の裏側|自由を作り続ける男の記録
隣の会社は、もともと顔見知りだった。同じ現場で仕事をしていたし、雰囲気も悪くなさそうに見えた。「あれだけ大きい現場に入ってる会社なら、大丈夫だろう」そう思っていた。でも――入ってすぐ、その考えは崩れた。初日から言われたのは、「別の会社の手伝…

👉 最初から読む方はこちら

【第0話】現場で倒れて、独立を諦めました|それでも今、こう考えています

【第0話】現場で倒れて、独立を諦めました|それでも今、こう考えています
今日、正直かなり病んでる今日は午前中で現場が終わって、昼に帰ってきた。家には誰もいない。いや、一人いるけど寝てる。そんなことはどうでもいい。今、正直かなり病んでる。原因はよくわからない。昨日の寝不足かもしれないし、ただの疲れかもしれない。で…

コメント