【第7話】隣の会社で見た、現場の裏側|自由を作り続ける男の記録

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隣の会社は、もともと顔見知りだった。

同じ現場で仕事をしていたし、雰囲気も悪くなさそうに見えた。

「あれだけ大きい現場に入ってる会社なら、大丈夫だろう」

そう思っていた。

でも――

入ってすぐ、その考えは崩れた。

初日から言われたのは、

「別の会社の手伝いに行ってくれ」

だった。

知り合いは誰もいない。

いきなり、知らない現場に飛ばされた。

それが、1ヶ月以上続いた。

毎日残業。

でも、ふと思って確認した。

「これ、残業代出るんですか?」

会社に電話して聞いてみた。

返ってきた答えは、

「そこはお世話になってる会社だから、付き合ってあげて」

「残業代は出ないよ」

――まじか。

急に、孤独な戦いが始まった。

それでも、なぜか給料は上がっていた。

不思議だった。

残業代は出ないのに、前より高い。

何が正しいのか、わからなくなっていた。

しばらくして、元のグループに合流した。

雰囲気は悪くない。

居心地もそこそこ良かった。

「まあ、いいか」

そう思い始めていた。

でも、また現実を突きつけられる。

新人が入ってきた。

真面目で、経験はないけどやる気がある。

いいやつだった。

しばらくして、その新人が言った。

「子供ができました」

まだ20歳。

この仕事だけで生活できる状況じゃないのは、見ていてわかった。

その新人は、仕事が終わった後にバイトを始めた。

無理をしていた。

案の定、どんどん体調を崩していった。

仕事も、バイトも、うまくいかなくなっていった。

そして、ある日来なくなった。

理由は――

うつ病だった。

またかよ。

正直、そう思った。

こんなに続くものなのか。

信じられなかった。

さらに数ヶ月後。

一緒に働いていたおじいちゃんが、機械で手を切った。

人差し指の付け根。

かなり深かった。

筋も切れていて、指は動かなかった。

すぐに社長に連絡して、

「救急車呼んでください」

そう伝えた。

でも、来ない。

30分経っても、来ない。

1時間経っても、来ない。

おかしいと思って確認すると、

「上の指示を待っていた」

と言われた。

結局、社長の車で病院に向かった。

その後どうなったのかは、わからない。

信じられなかった。

目の前で苦しんでる人がいるのに、すぐに動かない。

何を優先してるんだ。

現場の評価か?

会社の立場か?

ふざけんな。

そう思った。

この会社は、表面だけだった。

中身は、真っ黒だった。

もう無理だ。

ここにはいられない。

次の会社を探しながら働いて、見つかったタイミングで辞めた。

でも、最後に意味のわからないことが起きた。

辞めたあと、10万円の請求がきた。

理由はわからない。

もう、どうでもよかった。

ただ一つ、はっきりしたことがある。

ここも違った。


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