型枠大工として見習い時代を過ごした頃、先輩たちに教わった技術の中には「えっ、そんなことできるの!?」と驚くような“神ワザ”がたくさんありました。
今回は、僕が見習いの頃に教わって今でも現場で使っている「神ワザ」5選を紹介します。
これから型枠を学ぶ人にも、ベテランの方にも参考になるはずです。
1. 丸鋸でアール切り
最上階の屋根がロールケーキを横半分に切ったような形の現場のときに、屋根の形に合わせてベニヤを切る作業があったんですが、丸鋸しか持ってなくて、ジグソー(いろんな形に切れる機械)買わないとならないかなって思ってたんです。
そんなときに「丸鋸でもアールぐらい切れるぞ」って言われて、丸鋸は直線しか切れないっていう概念をぶっ壊されましたwww
※正しい使い方ではないのでおすすめはしません!参考までに。絶対に怪我だけはしないようにお願いします※イタイノデ…
ベニヤにアールの線を書きます(扇状)
使うベニヤは線の内側なのか、外側なのか確認。
アール(◯)の内側を使うのでやり方を説明します。
丸鋸は直線しか切れません!
なので何度も刃を入れて削っていくって感じです。
線に合わせて刃をベニヤの上から入れます。ベニヤの下まで切れたら、刃を抜いて少し先の線に刃を合わせてベニヤの上から入れます。この繰り返しで上手に切れます。
慣れてくるとアールの外側用のベニヤも切れるようになります。(丸の外側用)
無理矢理力入れて切ると、すぐ刃が切れなくなります。
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2. 建て込みの高さ調整はパネルどうしをぶつける
壁型枠の建て込みの際に、1枚たてます→2枚目たてるとき高さが合わないからバールさして高さ調節しますよね?
ささないんです!
2枚目の枠が高かったら、1枚目にぶつけるだけで高さ調節できます。しかも立ちまで良くなります。(ち〇こじゃなくて垂直ってこと☺︎)
結構な確率で使える技なので、やってみて下さい。慣れている人はすでにやっていると思います。
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3. 空中丸鋸パネル横切り
※これも適正使用じゃないので、参考にしないでください※
壁の建て込みをして梁かけをしていたら高さが合わない!
そんなことよくありますよね
壁の高さを間違えて直すとき、本当なら、パイプバラして、枠バラして一枚一枚切って直して…
現場では現実的ではありません。
正しくやるならやり直して下さい
現場のリアルをお話します。
建て込みが終わった型枠のまま、丸鋸で横一線に切ります!
危ないです。できればやらない方がいいけど…
丸鋸を横に持ち型枠の裏から切るなんて、かなり難しいし、危ないことなんです。
危ないけどなるべく安全で、なるべく精度良くカットする方法を学びました。
[やり方解説]
丸鋸を上から見て左から刃までの距離が90mmだとおもいます。昔の丸鋸は100ぐらいあったかもしれません。
今(2025/06/26)使っているマキタのバッテリー式165丸鋸は90mmです。
立ってる型枠にカットする位置を出します。
例えば上から100mmで切りたいとします。
そしたら上から190mmで印を付けます。
その印に合わせて100ぐらいのベニヤを釘で止めます。(印から下に)
そしたら丸鋸を横にして刃から90の丸鋸の台をベニヤの上に乗せて切るだけです。
丸鋸の台をパネルにしっかりくっつけて切るのがコツです。
角は丸鋸が入らないので、細かく印を付けて手鋸で切ります。
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4. 釘打ち曲がってもそのままいける
型枠建て込み中65mmの釘を打っていた、そしたら釘が刺さる前に途中で曲がってしまった。
曲がったから一回抜こうとしたら、言われた…
「そんなのそのまま打てるでしょ!」
っと先輩に言われた。
曲がった釘をそのまま打ったらやっぱり曲がった。
ただ打つんじゃなくて、釘を打って少し曲がったら逆方向に曲がるように釘を打つんだ!
だんだんやっているうちにわかってきて、できるようになりました。
曲がっても、横から叩いたり力の入れ具合で釘をコントロールできることを知った。
曲がってもまだやれる!w
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5. 枠がきつくても無理矢理入れる方法
右から建て込みをして、左から建て込んで、開口の上の枠が入らないことはよくあると思います。
そんなときのやり方です。
最後の一枚の型枠を付けるのは難しいです。スカスカだったら入るのですが、きついと入りません。
そんなときに教わった型枠2枚同時取り付け。
最後の一枚だとバールであおって入れると思いますが、きつくて入らない場合は、

②番の枠の左側を釘で止めます。次に最後の1枚の③番の右側を先に釘を止める。
それから②番③番を合わせながら同時に取り付けます。
そうするとバールであおらなくても綺麗に入ります。
梁側とかにも使えるテクニックです。
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まとめ:
見習い時代はとにかく必死で、教わることを全部吸収しようとしていました。
その中で出会った“神ワザ”たちは、ただ派手な技術ではなく、
ちゃんと理屈があって、現場で実用的なテクニックばかりです。
現場で役立つ「神ワザ」は、まだまだたくさんあります。
これからも、そういった技術をブログやYouTubeで発信していきます。
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