はじめに
建設現場でよく耳にする「型枠」と「コンクリート」。
この2つは切っても切れない関係にあります。
型枠は一時的なもの、コンクリートは建物の構造そのもの。
だけど、どちらが欠けても工事は成り立ちません。
今回は、型枠とコンクリートの深い関係について、現場経験をもとにわかりやすく解説していきます。
型枠とは何か?
型枠とは、**コンクリートを流し込むための“型”**のこと。
まだ固まっていないコンクリートは液体なので、そのままだと形を保てません。
そこで、所定の形状にコンクリートを成形するために、木材や鋼材などで囲いを作るのが「型枠工事」です。
• 目的:コンクリートを所定の形に固める
• 材料:合板(コンパネ)、桟木、など
• 特徴:基本的に使い捨て(再利用できる部分もある)
コンクリートとは?
コンクリートは、セメント・砂・砂利・水を混ぜて作る建築材料。
流し込んでから時間が経つと、化学反応で硬化して石のように固まります。
この特性を活かして、柱・梁・壁・床など、建物の主要な構造体を作ります。
型枠とコンクリートの関係
ここが本題です。
型枠とコンクリートは、どのように関係しているのか?それは次の3つの視点から見ていくとわかりやすいです。
1. コンクリートの形を決めるのは型枠
型枠は、コンクリートの形そのものを決めます。型枠が歪んでいれば、コンクリートも歪みます。型枠の精度がそのまま構造物の仕上がりに影響するため、正確な施工が求められます。
正確に施工しても鉄筋の検査で「かぶり」がないと言われれば無理矢理鉄筋と型枠の間にコンクリートブロックを入れられます。
そして型枠が歪みます→仕上げに影響して、はつられます(削られる)
大工の責任になります。この流れが本当に多いいです。
学習してほしいところです。なかなか理解されない部分でも有ります。
レベルの低い現場に多く感じます。
2. 型枠が崩れれば、工事も失敗する
コンクリートは重く、流し込んだときの圧力(型枠圧)も大きいです。
もし型枠がしっかり固定されていなければ、型枠が壊れたり、コンクリートが漏れたりして大事故につながります。
だから、型枠大工の腕が問われるのです。
型枠が吹っ飛ぶときの威力は半端なく、単管パイプなんて、ぐにゃぐにゃに曲がります。
あんな威力で人が潰されたら即シです。
3. コンクリート打設と型枠のタイミング
型枠はコンクリートを打設する直前に完成している必要があります。
そしてコンクリートが硬化するまで型枠はそのまま支え続けなければなりません。
つまり、「型枠完成 → コンクリート打設 → 硬化 → 型枠解体」という流れが鉄則です。
工事が間に合っていないときも、かなりあります。
コンクリートを打設しているのに型枠工事を同時進行でやっていたり…型枠大工さんの後ろでコンクリート関係業者が腕組んで待っていたり…
現場で感じる、型枠の重要性
現場では、「型枠は裏方」と思われがちですが、実際は建物の“原型”を作る非常に重要な作業です。
型枠がなければコンクリート構造物は作れませんし、型枠の精度や強度次第で、仕上がりも耐久性も変わります。
ボクは職長として現場を見てきましたが、型枠がしっかりしている現場は、全体の進行もスムーズです。
まとめ
型枠とコンクリートは、まさに表裏一体の関係。
「型枠があるからこそ、コンクリートが形になる」。
このシンプルだけど奥深い関係を知ることで、建設の面白さが見えてきます。
建物が完成すれば型枠は解体され、姿を消してしまいますが、その“跡”はずっと残り続けます。
だからこそ図面通りの綺麗な型枠を組んで美しいコンクリートをつくっていこう!
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