失敗した現場トラブルと対処法【型枠大工のリアル経験談】

型枠関係

型枠工事の現場では、どんなにベテランでも“ミス”はつきものです。

ボクも20年の中で、思い出すだけで冷や汗が出るような失敗を何度も経験しました。

でも、その失敗から学んだことが、今では何よりの財産になっています。

この記事では、実際にボクが経験した現場トラブルと、その時どうやって対処したかを、リアルな本音でお伝えします。

型枠初心者さんや、これから職長を目指す方にとって「トラブルへの備え」と「失敗から立ち直る力」のヒントになれば嬉しいです。

型枠工事でよくある現場トラブルとは?

型枠の現場でよくあるトラブルには、こんなものがあります。

• 墨のミスで型枠がズレる

• 図面から型枠加工図を拾い出しの際、スラブの高さを間違えた

• 番付けの間違いで部材が合わない

• コンクリートが型枠から漏れる(パンク)

• 脱型時(解体時)に型枠がくっついて外れない

• 鉄筋と干渉して施工できない箇所が出る(鉄筋のかぶりがない、はみ出る)

これらは、すべてボク自身が経験してきたことでもあります。

実際にあった失敗談【3つの事例】

① コンクリート漏れで大騒ぎ

13階建ての寮の現場で、外周の穴埋めを忘れたことにより、コンクリートが漏れ出し13階から1階までのバルコニーの掃除をすることに!

下の階では室外機も設置されていて大問題になりました。

型枠大工全員でホースを繋ぎ各階に散らばって一気に掃除をしました。

コンクリートが固まる前に掃除をしないと取れなくなってしまうので、めちゃくちゃ焦りました。ボクが職長をしていた現場なので尚更ヒヤヒヤしました。

コンクリートが飛散しないように養生をしない現場も良くないと思います。

下の階が仕上げ工事が始まったら養生は必ず、するように打ち合わせした方がいいです。

② スラブの高さをミスで手戻り地獄

デッキスラブを張って鉄筋屋さんにバトンタッチしてから、「大工さーん!高さおかしいよー」

鉄筋を全てバラしてもらい、デッキも自分達でバラして、壁の型枠を1部屋全部高さを合わせるために、丸鋸でカット。切れない場所は、手ノコで…

鉄筋屋さんは待ってるし、仕事はやりづらいし、さんざんでした。

建て込み梁かけのときは、軽くでいいので図面を見て確認しましょう!

忙しくてなかなかできないけど、やり直すよりマシだと思って、やろう☺︎

③ 4mの土圧壁が吹き飛んだ!(パンク)

地下階で外周の(土側)厚みが1m高さ4mの壁がパンクしました。

壁の距離は35m

原因は1発で上げたことです(コンクリートを一気に4mの高さまで入れた)

被害は型枠パネルの900ぐらいの高さでへし折れて、打設用足場にぶつかって止まった感じです。

土工さんが挟まれていたら即死だったと思います。

締めたパイプもぐにゃぐにゃに曲がっていました。

型枠の状況は1段目のセパはガッツ(セパと鉄筋を繋ぐ金物)で縦筋からとっていました。パンク時は全てくっついていました。ガッツは強いです。

2段目以降は土留め用のH鋼にスクリュービット(H鋼に穴をあけてアンカーを取付してセパをとる金物)でセパをとっていました。縦のピッチ450横はH鋼が遠いとこで800でした。

縦パイプは入れていませんでした。

縦にバタ角を入れて押すようなこともいっさいしていませんでした。

コンクリ打ちの範囲がこの壁だけ、だったので、はじから打って、はじまで行ったら折り返しみたいな打ち方だったので、一気に上げるのと同じことだと、大工さんは思うとおもいます。

しかし、監督からすると3回打ちをしました。とのことです。

3回打ちは1回ごとに時間を開けることが必要だったと思います。

型枠大工さんは固めがあまかったこと、打ち合わせ時もっと細かく説明が必要だったこと、コンクリ相番がしっかりしていなかったこと。

流れ出したコンクリはさらに下の階まで流れ出し固まってしまいました。

その後壊れた型枠を外し、建て込みをやり直し、コンクリ打設完了しました。

下の階のコンクリはしばらくハツっていました。どどどどどどどどどど…。

同じ目にあわないためにも気をつけて下さい

対処法と反省点

失敗対処法学んだこと
コンクリ漏れ下階が仕上げ工事が始まっていたら養生をすること階数上がると被害も大きくなる。細心の注意が必要
スラブの高さミス建て込み梁かけ時図面確認急いでいても確認をおこたるな
パンク固めをしっかり。密な打設計画打ち方一つで型枠は崩壊する

トラブルを防ぐための心構えと工夫

• 1つ1つの作業に区切りをつけて、確認すること

 → 図面通りにできているのか? 穴や隙間はないのか?などを考えるクセをつける

• 「打ち合わせ」は作業をスムーズに進める行動

 → もう一回聞く、確認する、相手がちゃんと理解しているのかを、お互い確認し合って間違いないようにする。

まとめ:失敗を恐れず、学びに変える

失敗は恥ずかしいことじゃありません。

大事なのは「その後どうするか」と「その経験を誰かに活かせるか」。

ボクのブログでは、こうした“表に出にくい失敗談”も隠さずに伝えていきたいと思っています。

「こんなこと言ったらダサいかな」なんて思わず、誰かの役に立つなら本望です。

あなたの現場トラブル、教えてください!

「こんな失敗した」「これはどう対応すればよかった?」

コメント欄やXでも、あなたの経験をぜひ教えてください。

一緒に学び合える場所にしていけたら嬉しいです!

コメント