墨出しとは?型枠の準備で最重要の作業+1人墨出し方法解説

型枠関係

建設現場でよく聞く「墨出し」という言葉。

実はこの作業、型枠工事の中でも特に重要な工程の一つなんです。

墨出しが正確にできていなければ、型枠がズレてしまい、全体の構造に大きな影響を与えることもあります。

型枠大工さんの墨出しとは『子墨出し』と言って型枠を建てる場所の墨を出すということです。
なので、基準となる親墨は出しません。

今回は、型枠大工にとって避けて通れない「墨出し」について、初心者にも分かりやすく解説します。

墨出しとは?

• 墨出しとは、図面をもとにして、コンクリートの位置や寸法を床や壁に正確に書き出す作業のこと。

• 建物の「基準線」を現場に写す作業。

• 墨壺やチョークラインなどの道具を使う。

なぜ墨出しが重要なのか?

• 墨出しがズレると型枠がズレる → コンクリート構造全体がズレる

• 鉄筋や配管、開口部の位置にも影響

• 基礎・柱・梁など、すべてのスタートになる工程

墨出しの流れ

1. 親墨の確認(通り芯からいくつの墨なのか確認基本1000mm)

2. 墨出しの道具準備(墨壺・墨汁・鉛筆・スケールなど)

3. 子墨出し(壁・柱など)

4. 寸法のチェック、二重確認

5. 他業種との調整が必要な場合は打ち合わせ

型枠大工からのリアルなアドバイス

• 経験上、「墨出しの精度=現場の精度」と言っても過言ではありません。

• 墨出しは1mmのズレが命取り。慣れてきても確認作業は必須。

• 新人のうちは、必ず先輩にダブルチェックしてもらいましょう。



1人墨出し方法

墨出しは基本的に2人でやる作業です。

今日は相棒がいない

でも、今日は墨出し、、、

あーーーーーーーーーーーー

こんなときに役に立つ1人墨出しのやり方をご紹介します

1人墨出し【足押さえ打ち】

みんなよくやっていると思いますが、カルコを足で踏んで墨打ちをする方法です

【やり方】

先に墨出しするポイントをつける。
次に墨ツボの糸を合わせる
カルコ側を足で押さえてそのまま打つ

【デメリット】

・このやり方は短い距離しかできない
・垂直の壁、側面に墨出しができない
・かっこ悪い

1人墨出し【薬指押さえ打ち】

【やり方】

最初はなかなか難しいです。
出来るようになるとかっこいいので、隠れて練習をしてみて下さい。☺︎

墨ツボ側はそのまま押さえて、カルコ側は小指でカルコを押さえる。(小指だけでカルコを引っ掛ける)
そこから薬指の爪に引っ掛けて糸を押さえる。(薬指の爪の間に糸を通しそのまま墨のポイントを押さえる)
その状態から、親指と人差し指で糸をつまんで、弾く。(墨ポイントを押さえている指がズレない様に集中しながら垂直に弾く)

側面にも墨を打てるので覚えておくと超便利です。

【デメリット】

・両腕の届く範囲しか打てないこと
・慣れないと墨が曲がる
・超ムズイorz

1人墨出し【コンクリ釘押さえ打ち】

【やり方】

持ち手の真ん中に穴が空いているカルコを用意する。
その穴にコンクリ釘を通して押さえたいポイントで軽くハンマーで叩く。
そのまま墨を打つ。
長い距離でも1人で墨が打てる。

【デメリット】

・コンクリ釘が刺さらないカチカチコンクリートの場合はかなりつらい
・毎回コンクリ釘を打つのが大変

1人墨出し【先打ち墨出し】

墨を出す前に、ポイントを出して角に桟木やベニヤを先にコンクリ釘でとめてしまってから、カルコをベニヤや桟木に刺して墨を打つ。

コンクリが硬くても、やりやすいです。

【デメリット】

・子墨の角を出して桟木を打つのは手間がかかる。

1人墨出し【雨の日の墨出し】

雨の日はどうするのか?

基本的に雨で濡れているので墨は出しません。

なので壁の位置のポイントだけ出して、そのまま桟木やベニヤをコンクリ釘で固定します。

墨を打たないで、桟木を固定するため、桟木が曲がっていたら壁の位置がずれてしまいます。
なので、ポイントは細かく出します。

900mmピッチぐらいで大丈夫です。

1人墨出し【最終奥義】

全ての子墨のポイントを先に出してから、現場監督さんに

「ちょっとお手伝いお願いします☺︎」

意外にやってくれるので試しにやってみて下さい(笑)

型枠の作業は意外に1人でやらなければならない状況がよくあるので、覚えておくと、安心です♪

まとめ

墨出しは、建設現場における“設計図の実体化”とも言える大切な作業です。

型枠を組む前の段階で正確に墨出しを行うことで、後の作業がスムーズになり、ミスや手戻りを防ぐことができます。

これから型枠大工を目指す方や現場初心者の方は、ぜひ墨出しの重要性を意識して作業に取り組んでみてください。

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