はじめに
「型枠大工ってきついんでしょ?」
そんな声をよく耳にします。
確かに、型枠の現場は体力仕事で厳しい部分も多いです。
でも、実際に20年以上この仕事をしてきた僕から見ると、ただ「きつい」で片づけるのはもったいない職業でもあります。
この記事では、**型枠大工のリアルな「きつさ」**と、それでも続ける理由について本音でお話します。
型枠大工の「きつい」と感じる瞬間
1. 夏と冬の気温が過酷すぎる
夏は炎天下のコンクリートの上でパイプやベニヤを運び、作業をします。太陽に焼かれ、資材はアツアツ、ココにいるだけでつらい…
でも作業は終わらせなければならない。
冬は指がかじかむ中で細かい作業をする。雨が降るとさらにつらいです…
手の感覚がなくなり釘を持っているのかいないのか?わからなくなって、しまいには、ハンマーで指を打ちます( ;∀;)
屋外作業がメインなので、季節の影響をダイレクトに受けます。
2. 体力勝負!腰・膝・肩にくる
型枠材は重たいものが多く、繰り返し運ぶことが多いため、腰や膝、肩を痛めやすいです。
1階で使った材料を2階に上げたり、マンションやビルになると、形が同じなので4階に使用する材料は2階のものを使ったりしますので、しかも全て人力で…
型枠大工が仕事をするタイミングはまだエレベーターなど、設置されていないのです。
3. 工期との戦い!常に時間に追われる
建設現場にはスケジュールがあります。
天候の影響で遅れれば、その分取り返さなければいけません。
しかも現場はさまさまな予想外なことが、よく起きます。頼んだ資材が届かない。予定していた作業員がこない。現場で事故が起きて現場ストップなんてこともあります。
焦りとプレッシャーを感じる日々も少なくありません。
⸻
それでも続けてこれた理由
・カタチに残る仕事のやりがい
型枠はコンクリートが固まれば、全部外され、見えなくなりますが、建物の骨を作る重要な仕事です。
自分が関わった建物が地図に残っていくのは誇らしいことです。
・仲間とのチームワーク
型枠は一人ではできません。
毎日顔を合わせ、声をかけ合い、時にはケンカもする。
でもそのぶん、仲間との絆が強い仕事だと思います。
仲間がいるから仕事が進むんです。一人は苦しいだけです。
・手に職がつく
20年やって感じるのは、一度身につけた技術は一生ものということ。
ぼくはだいぶ気が抜けました。
もし今の働いている会社がつぶれたとしても他で働けるからです。
気持ちに余裕が全然違う!
⸻
型枠大工に向いている人・向いていない人
向いている人
• 体を動かすのが好き
• 物づくりが好き
• 我慢強いタイプ
• 現場で仲間と協力できる人
向いていない人
• 夏の暑さや冬の寒さがとにかく苦手
• ケガや身体のトラブルが多い
• プレッシャーに弱い
• 規則正しい生活が苦手
⸻
僕が伝えたいこと
型枠大工は、きついです。
でも、そのぶん得られるものもたくさんある仕事です。
やってみなければわからないことも多いですし、
実際に働いてみて「合う・合わない」が見えてくる世界でもあります。
僕自身、型枠大工を続けてきたことに後悔はありません。
この仕事だからこそ得られる経験があります。
人見知りだったボクが誰とでも話せるようになったり、人の気持ちがわかるようになったり(全部ではないですけど…)得られるものは型枠だけではありません。
⸻
おわりに
もし「型枠大工ってどうなんだろう?」と迷っている人がいたら、
**「きついけど、挑戦する価値のある仕事」**と伝えたいです。
自分に合うかどうかはやってみないと分からない。
でも、迷ったときは、経験者の声をぜひ参考にしてください。
コメント